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読書メモ

 

 イワンと悪魔の場面がどうやってもデヴィッド・リンチぽい映像で脳内再生されてしまうーっ。あと、リーザちゃんもうちょっと見たかったんですけどね。
 善悪や道徳は神との関係内に存することかもしれないが、人間を人間主義的な進歩と規律の道につきすすませたものはそれだけではなかったようにも思う。哲学史の初期から人間は獣性の上位に理性を認めたがったわけで、人間にとって自尊心の比重は無視できないほどのものだ。スパイ小説の『ジョーカー・ゲーム』でいうところの、《この連中を動かしているものは結局のところ、自分ならこの程度のことは出来なければならない。という恐ろしいほどの自負心だけなのだ 。》というやつ。
 作中人物の饒舌もまた、大方やや世俗的な意味の自尊心に起因しているような気がしてならないのであるし。
 
 
 
服従

服従

 あらすじだけでもう悪趣味だし、侮辱だし、ヘイトそのものだし、読んでみれば意外に淡々と内向的に書かれているからといって、読書に取りくむ時間とともに内容にも慣れてくるものだからといって、その初めの印象を後退させるべきでもないだろう。まったく悪趣味だ。何度でも言うべき。まったく悪趣味だ。ただ、対象化されて目立っている固有名詞の部分が本書のテーマの本質というわけではないことはわからないではない。これ、リアリティを――事象のリアリティではなくマクロのリアリティを担保するのはおそらくナチスドイツの占領時代(を許した軟弱な市民性)なのだろうし。自虐がメインなんだろうね。
 
 
 
ペナンブラ氏の24時間書店

ペナンブラ氏の24時間書店

 物としての本を崇める派の人々からは嫌われそうなのだが、私はこれこそ現代の正統派ファンタジーと言えると思う。

 参考記事:マガジン航「デジタルと本のハイブリッド小説が問いかけるもの」